新型コロナウイルスの感染拡大を受け、2020年はテレワークやWeb会議、就活、結婚式などまで様々な分野で急速にオンライン化が進んだ年となりましたね。
その中で需要が増えたもののひとつにオンライン展示会(バーチャル展示会)が挙げられます。
リアルな空間で人が集まることが難しくなった昨今、これまで開催されてきた通常の展示会に代わって オンライン上(バーチャル)で完結するオンライン展示会(バーチャル展示会)に注目が集まっています。
ですが、
オンライン展示会を検討してみたいけどよく分からない・・
ハードルが高そうだ・・ 予算がかかりそう・・
自社にはどのプラットフォームが合っているのか分からない・・
といったお悩みを抱えている企業のご担当者の方も多いのではないでしょうか?
この記事ではオンライン展示会とはどういったもので、何が出来るのか? 制作の依頼先を選ぶ際のポイントについてなどを各プラットフォームの特徴や比較と共にご紹介いたします。
オンライン展示会(バーチャル展示会)とは?
オンライン展示会とは、名前の通りオンライン上(バーチャル)で開催される展示会のことです。
オンライン展示会、バーチャル展示会、Web展示会など様々な呼ばれ方をしていますが、いずれもこれまでのリアルな会場に人が集まって開催されてきたオフラインの展示会と違い、オンライン上で開催し集客する展示会のことを指しています。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、リアルな展示会場に実際に人が集まることが難しくなっている現在の状況を背景に急速にニーズが高まっています。
オンライン展示会には、大きく分けて下記の二つのタイプがあります。
1. 展示会の主催者、運営者が出展者を募り、複数社が出展・参加するタイプのオンライン展示会
このタイプのオンライン展示会への企業の関わり方としては、『主催・運営する側の企業』と『出展・参加する側の企業』の2パターンがあります。
主催者側はオンライン展示会用のプラットフォームを選定し、オンライン上に会場を構築し集客を行う必要があります。
出展企業側は主催者の用意したプラットフォームを使用して参加するため、必要なコンテンツさえ用意すれば比較的容易に主催者側の用意した会場内でオンライン展示会へ出展することが可能といえます。
ただし、来場者に直接声をかけて呼び込むといったことが難しい等オフラインの展示会とは違う部分もあるため、オンライン展示会に合わせた戦略、アプローチを考える必要があります。
2. 一社が単独で自社サイトなどで開催するオンライン展示会
(ショールーム型、バーチャルショールームと呼ばれることも)
一社が単独で制作して自社サイトなどでオンライン展示会を行うこのタイプの場合、開催の日程やコンテンツ内容などに融通が利くことがメリットといえます。
商品やブランドの世界観に合わせてこだわって作りこみたい、独自感を出したい、という場合には「VR」や「ストリートビュー」「360°ビュー」などのリッチコンテンツを使用してバーチャルな空間を作りこむことも可能です。
また、そういったリッチコンテンツは不要、コストを抑えたいという場合には既存のWebサイトをカスタマイズして拡張することでオンライン展示会としての機能を持たせ短期間の制作期間でコスパよく開催することも可能です。
ただし複数社が集うタイプのオンライン展示会へ出展する場合と違い、自力で集客を行わなければならないため、コンテンツの魅力を高める、集客ノウハウのあるオンライン展示会制作会社を選定する、などを検討する必要があります。
オンライン展示会(バーチャル展示会)のメリット・デメリット
オンライン展示会のメリットやデメリットとして、下記のようなものが挙げられます。
メリット
- リアルな展示会に比べて低コストですむ場合が多い(会場やブース等のレンタル費用が抑えられる)
- 三密を回避できる
- Webならではの効果測定、顧客分析が可能
- Web上で開催されるので24時間開催が可能
- 国内外どこからでも参加可能なため集客の幅が広がる
デメリット
- 実際に商品やサービスに触れてもらえない、体験してもらえない
- オフラインでの展示会と違い、参加者に直接声をかける、呼び込むということが難しい
- オフラインでの展示会とは違った戦略、アプローチを考える必要がある
開催、出店する企業側にもメリットの多いオンライン展示会ですが、ネット環境があれば参加可能なため移動時間等が発生しません。
そのため来場者にとっても、移動距離を考慮せず参加しやすいといったメリットがあります。
オンライン展示会の特徴やシステムについてなど詳しくは下記の記事でも紹介していますので、ご参照ください。
オンライン展示会(バーチャル展示会)ではどういったことが出来るの?
オンライン展示会ではどういったことが出来るのか? これからオンライン展示会の開催を検討したいという方にはこういった疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
上記のデメリットでも挙げたとおり、オンライン展示会では商品に実際に触れてもらう、ということは出来ません。
しかし、逆にそれ以外のことはオンライン展示会でもほぼ実現可能と言えます。(予算や開発・準備期間にもよりますが)
チャット機能やオンライン商談で来場者と対話することもできますし、講演会やセミナーの配信、名刺交換などを行うことも可能です。
また効果測定やアクセス解析など、オンライン上で行われる展示会だからこその機能もあります。
商品や商材によっては、やはりどうしても体感・体験が重要になってくるものもあるかと思います。
そういった場合は、3D・アバター・ARなどのリッチコンテンツを用いることで来場者によりリアルに近い感覚を味わってもらうことも可能です。
▼オンライン展示会の機能例
・チャット機能やオンライン商談
・セミナー動画(オンデマンド配信やリアルタイム配信)
・ユーザー参加型のライブ配信コンテンツ
・セミナー動画(オンデマンド配信やリアルタイム配信)
・「VR」や「ストリートビュー」「360°ビュー」などのリッチコンテンツ
・複数社の一括資料請求やお気に入り保存、検索機能
・オンラインならではの効果測定機能
機能の充実しているオンライン展示会だからこそ、自社のオンライン展示会にはどういった機能が必要かを検討する必要があります。
オンライン展示会(バーチャル展示会)の制作依頼をする際の制作会社選びのポイント
オンライン展示会なんだか良さそうだ! 開催(主催)しよう! となった際に、ではどういったプラットフォームを選べばいいのか? どこへ制作の依頼をすればいいのか? 迷う担当者の方も多いかと思います。
オンライン展示会はWeb制作会社やイベント企画会社、システム会社など様々な分野の企業が制作を請け負っています。
各社によって提供しているサービス、プラットフォームには違いがありますので、ぜひ御社にぴったりのパートナーを見つけてください。
プラットフォームとは
ビジネス用語としては、物やサービスを利用する人と、提供者をつなぐ場のことである。IT用語としてのプラットフォームはソフトウェアが動作するための土台を指す。オンライン展示会の制作依頼をする際、依頼先となる制作会社を選ぶポイントは以下のようなものが挙げられます。
ポイント1. 扱う商品、サービスの特徴は? 魅力を伝えるためにはどういった機能が必要?
まずは取り扱う商品やサービスの特徴を把握することが必要です。
御社の商品、サービスは、来場者に体験してもらうことが重要になってくる商品やサービスでしょうか?
それとも直接体験はそこまで重視されない商品やサービスでしょうか?
例えば実際の商品に触れる、体験することで顧客の心を大きく動かすような商品の場合、3D・アバター・ARなどのリッチコンテンツを用いることで、顧客によりリアルに近い感覚を体験してもらうことが出来ます。
逆にリアルな体験を必要としない商品やサービスであれば、そういったリッチコンテンツの機能は不要といえます。
扱っている商品によって、魅力を伝えるために必要な機能は変わってきます。
まずは展示会で扱う商品の特徴を把握し、その上で最も商品の魅力を顧客に効果的に伝えるために必要なオンライン展示会上の機能はなんなのかを考えてプラットフォームを選ぶ必要があります。
ポイント2. 必要とする機能とコストのバランスから検討しよう
オンライン展示会にはご紹介してきたとおり様々な機能があり、必要とする機能や制作過程の違いでかかるコストが変わります。
▼コストより質 実現したい展示会の内容や質によりこだわりたいなら
オリジナルで一から作成するスクラッチ開発は自由度が高く高機能なため、実現したい展示会の内容や質によりこだわりたいという企業の方におすすめです。
また、3D・アバター・ARなどのリッチコンテンツを用いれば、オンライン上であっても来場者によりリアルに近い感覚を味わってもらうことも可能になります。
しかしいずれも、高機能な分だけ開発や制作期間が長くなり、費用も高くなる傾向があります。
▼コストを抑え、短期間で開催を目指すなら
リッチコンテンツは不要、コストを抑え短期間で開催したいという場合には既存のオープンソースをカスタマイズして拡張することでバーチャル展示会としての機能を持たせる方法や、テンプレートがあるプラットフォームを利用することがおすすめです。
コストは抑えながらも、チャット機能やオンライン商談などオンライン展示会に必要な機能はつけることができ、既存のものを使用するため制作期間も比較的短くすることができます。
ポイント3. 開催までの制作期間はどのくらい?
希望する開催期間までの制作・準備期間はどのくらいでしょうか?
使用するプラットフォームによっては、準備が短期間ですむものから長期間かかるものもあります。
一からオリジナルのシステムを開発する必要がある場合は、自由度は高く高機能ですがそのぶん準備期間と費用がかかります。
開催予定の期日がすでに決まっている場合は、その期間内で実現可能なプラン、サービスを提供してくれる制作会社を選ぶ必要があります。
オンライン展示会(バーチャル展示会) 各プラットフォームの特徴と比較
顧客へのアピール機能、マッチング機能が欲しい! PUSH型の営業がしたいなら
オンライン展示会のデメリットのひとつとして、オフラインでの展示会と違い、出展企業側から来場者に直接声をかける、呼び込むということが難しいという点があります。
オフラインの展示場であれば会場内で通りかかった来場者へ直接声をかけて自社ブースへ呼び込む、ということも気軽に行えますが、オンライン展示会では来場者側が興味を持った商品やサービスの企業ブースだけに自発的にアクセスする、コンタクトをとる、というような企業側からするとPULL型の営業(顧客から企業へ働きかける営業)になりがちな側面があります。
ですが、せっかくオンライン上での開催で時間や場所の制限から解放され展示会自体への集客の幅は広がるのですから、見込み顧客へPUSH型の営業(企業から顧客へ働きかける営業)をしたいという企業の方も多いのではないでしょうか。
下記にご紹介するようなプラットフォームでは、来場者から出展企業へだけでなく、出展企業から来場者へアピールする機能やマッチング機能などを設けているものもありますので、オンライン上の展示会でありながらPUSH型の営業を行うことも可能です。
EventHub(イベントハブ)
株式会社EventHubが提供するビジネスイベント特化型のマネジメントツール。
アプリケーションでなくWebブラウザ(パソコン・スマホ)を使うため、参加への負荷が少なく気軽な参加を促すことが可能。
自動レコメンドや主催者おすすめ機能など、出展社と来場者を引き合わせる交流機能(マッチング機能)があることで質の高いリード(見込み客)獲得や商談の機会を増やすことが出来る。
カスタメディアMASE Event Termina
Webセミナーやオンラインイベント、顧客管理が構築できるクラウドツール。
来場者と出展企業のマッチング機能や、各種コミュニケーション機能がカスタマイズ可能。
出展企業が“提供したい商品・サービス”の登録をして来場者側からのオファーを待つ場合と、来場者が“求める商品・サービス”の登録をして出展者側から逆オファーをする場合の双方からの働きかけが可能。
カスタメディアMASE Event Termina の公式サイトはこちら
リアルな展示会に寄せた高性能な機能が欲しい! リッチコンテンツを使用したいなら
オンライン展示会はその性質上、商品に直接触れてもらう、体験してもらうということが出来ません。
しかし、商品やサービスによっては実際の商品に触れる、体験することが重要になってくる場合もありますよね。
そういった場合でも、3D・アバター・ARなどのリッチコンテンツを用いることでよりリアルに近い感覚を来場者に味わってもらうことは可能です。
下記のプラットフォームでは、3D・アバター・ARなどのリッチコンテンツを提供しています。
そのまま展示会
SoVeC株式会社が提供するVR空間で展示会を忠実に再現するバーチャル展示会プラットフォーム。
VRを使い展示会を忠実に再現することが可能。オンラインの会場内に3DCGで実際のモニターやパネルなどを再現したブースを設置し、アバター同士で商談や連絡先交換などを行うことが出来る。
EventXtra
香港発のスタートアップEventXtraが提供するイベント仮想展示プラットフォーム。
オフラインの展示会に近いリアルな展示会場をオンライン上に構築することが出来る。出展企業の電子パンフレット、ポスター、ビデオなどを紹介するカスタマイズ可能な展示ブースを持つことができ、ブースで来場者と交流が可能。
多言語に対応しており、グローバルなイベントや大規模展示会も開催が可能。
ショウダンデス
株式会社アイデアクラウドとXRエンターテインメントが技術やノウハウを組み合わせて提供するバーチャル展示会サービス。
3Dウォークスルー、3DWEB、2DWEB、WEB型といった選べる基本タイプが準備されており、用途や扱う商材に合わせて選択することが出来る。
展示会のVR化を希望する場合は3DCG化・3Dスキャン・360度VR撮影・イラスト化など用途やイメージに合わせてバーチャル化が可能。
必要な機能を必要な分だけ! 短期間、低コストで開催を目指すなら
顧客の直接体験はそこまで重視されない商品やサービスを扱っている場合は、上記でご紹介したようなリッチコンテンツ(3D・アバター・ARなど)までの機能は不要といえます。
下記のプラットフォームでは、既存のオープンソースをカスタマイズして拡張することでオンライン展示会としての機能を持たせることが出来たり、テンプレート化されていて導入までのハードルが低く短期間・低コストでの開催が実現可能など、必要とする機能を必要な分だけコスパよく利用してオンライン展示会を開催したいという場合にもおすすめです。
Virtual Experience
10年以上にわたり展示会をサポートしてきたシンユニティグループが提供するWeb展示会サービス。
テンプレートを使用して短期間・低コストで仕上げる「クイックプラン」や、クイックプランのデザインをカスタマイズできる「スタンダードプラン」があり、オンライン展示会初心者にも導入がしやすい。
また、リッチコンテンツを求める企業には「360°VIEWプラン」や「ハイエンドCGプラン」等も用意されており用途に応じてプランを選択することが可能。
Virtual Event
インターネット専業のメディア企業、アイティメディア株式会社が提供するバーチャルイベントサービス。
会場設営、ブース造作・装飾、展示コンテンツ制作、事務局運営、来場者サポートまで様々なサポート対応が充実しておりオンライン展示会初心者にも導入までのハードルが低い。
キックオフミーティングから最短2カ月で開催が可能。
株式会社SERENDEC
Web制作会社、株式会社SERENDEC(弊社)が提供するバーチャル展示会サービス。
Webサイトのカスタマイズにより、既存のサイトにオンライン展示会としての機能(MAツール、動画、チャット機能、商談スペースなど)をつけることが可能。追加機能、デザインともにカスタマイズが可能で拡張性を持たせたシステムを提供。
オンラインの特長を活かしながら、目的・予算を考慮した短期間・低コストで開催することが出来る。
Webマーケティング、Webサイト制作で培ったWeb集客のノウハウを活かしたコンテンツ構成、制作提案を行います。
株式会社SERENDEC バーチャル展示会 の公式ページはこちら
アピール、マッチング機能あり! PUSH型の営業がしたいなら | よりリアルに! リッチコンテンツを使用するなら | 必要な機能を必要な分だけ! 短期間、低コスト |
EventHub | そのまま展示会 | Virtual Experience |
上記でご紹介した以外にも、オンライン展示会サービスを提供している会社は多数あります。
また上記でご紹介した各プラットフォームの解説はあくまで弊社見解であり各社の一部サービスのご紹介です。同じ会社の提供しているサービスであってもプランによって内容は変わってきますので、詳細はぜひ各社の公式サイトをご参照ください。
まとめ
オンライン展示会には様々なメリットがあります。
現在はリアルな展示会が開催できないための代替として需要が高まっていますが、そのメリットの高さから、オンライン展示会の需要は一過性のもので終わらないのではという声もあります。
オンライン展示会制作を行う会社は各社、様々なプランやサービスを提供しています。
御社に必要なシステムはどういったものなのか、どこへ依頼すればより取り扱うサービスや商品に合った効果的なオンライン展示会を制作・開催することができるのかを検討し、ぜひ御社にぴったりのパートナーとなる会社を探してみてください。
オンライン展示会の特徴やシステムについてなど詳しくは下記の記事でも紹介していますので、ご参照ください。
株式会社SERENDECはお客様の課題、目的、運営状況を把握した上で、オーダメイド型の最適なサービスをご提供いたします。
各種の制限(予算、納期、社内リソースなど)がある中で、お客様が本当に必要なものを考えてご提案いたします。
ぜひお気軽にお問い合わせください。