※2019年2月15日の情報です
Googleしごと検索(Google for jobs)の概要
インターネット上に求人広告を出すということが一般的になった中、新しい求人検索機能「Google for Jobs」の日本語版「Googleしごと検索」が2019年1月23日に正式リリースされました。
「仕事」でなく「しごと」とひらがなです。「なぜ、ひらがなか?」 は不明ですが、ひらがなのほうが柔らかい印象ではありますね。
「Googleしごと検索」は求人情報に特化した検索機能です。Web上のあらゆる求人情報を取得し、Google検索上でユーザーが仕事を探しているような特定の検索をした場合(例えば、「転職」や「求人」など)下記の画像のように表示されます。
Google検索で求人に関係するテキストで検索したときに表示される「Googleおしごと検索」
さらにクリックすると、より多くの求人が表示され、職種やロケーションで絞り込むこともできます。
「Googleおしごと検索」画面
個別の求人の詳細を知りたい場合や応募したい場合には、求人情報提供元のサイトに移動します。
では実際に「Googleしごと検索」に求人広告を掲載するのはどうしたらよいでしょうか?
Googleしごと検索に求人広告を登録(掲載)する方法
掲載方法は、以下の2種類です。
- A「Googleしごと検索」に対応している「求人情報提供サイト」に求人登録する。
- B 自社サイトの求人情報ページに構造化データを追加し、サイトマップをGoogleへ送信する。
A「Googleしごと検索」に対応している「求人情報提供サイト」に求人登録する。
「Googleしごと検索」に対応している「求人情報提供サイト」に求人登録(多くの場合有料、期間限定)していれば勝手に表示されるので、とくに何かをする必要はありません。
「Googleしごと検索」で表示される求人広告の情報提供元は多く、下記のような求人サイトが対応しています。これらはほんの一部で下記以外の求人サイトもたくさん対応しています。
※求人情報提供元サイト(doda、エン転職、エン派遣、エンバイト、Find Job!、求人ジャーナル、求人ボックス、engage、はたらこねっと、はたらこIndex、しゅふJOBパート、女の求人マート、Dジョブ、GREEN、ニフティーパート・派遣、ニフティアルバイト、キャリアインデックス、他多数)
※2019年2月15日現在
B 自社サイトの求人情報ページに構造化データを追加し、サイトマップをGoogleへ送信する。
少し手間がかかりますが、下記のステップで自社サイトの求人情報ページを登録します。
1.GoogleBotが自社サイトの求人情報ページをクロールできる状態になっているか確認。
robots.txtファイルや robotsメタタグで求人情報ページが保護されていないことを確認します。
2.自社サイトの求人情報ページがGoogleのガイドラインに準拠していることを確認。
Gooleガイドライン3.求人情報用の構造化データを作成し、自社の求人情報ページに追加(マークアップ)。
Google推奨のJSON-LD形式で構造化データを自社サイトの求人情報ページにマークアップします。
必須項目が正しく入力されていなければ「Googleおしごと検索」に掲載されません。
また、自社サイトの求人情報ページに記載されている内容と構造化データの内容(雇用形態、給料や勤務地)は一致させておく必要があります。
自社の売りを積極的にアピールする内容にしておきしょう。
Google構造化データの定義方法4.構造化データをテストツールでテスト。
テストツールに自社サイトの求人情報ページのURLを入力してテストします。
正しくマークアップされていないとエラー表示されます。エラーがあれば修正します。
テストツール5.サイトマップを送信。
テストツールで構造化データに問題がなければ、Google Search Consoleで Googleにサイトマップを送信します。
サイトマップの作成と送信方法Google Search Console
6.「Googleしごと検索」に掲載されるのを待ちます。
Google Search Consoleで、求人情報ページのインプレッション数やクリック数を確認しておきます。
※サイトマップ送信の場合は掲載に時間がかかります。急ぐ場合はGoogle推奨のindexing-apiを利用します。
※詳細な手順や方法はGoogleのリファレンスでご確認ください。
「Googleしごと検索」リファレンスGoogleしごと検索、Indeed、一般の求人情報提供サイトの違い
「Web上のあらゆる求人情報を取得し一括で表示する」どこかで聞いたことがある内容です。
そう、TVCMで流れまくっている「Indeed(インディード)」と全く同じ構造です。
一般的な求人媒体サイトも含めて、それぞれの特徴をまとめてみました。
Googleしごと検索 | Indeed | 求人情報提供サイト | |
---|---|---|---|
費用 | 無料 | 無料(広告枠は有料) | 有料 |
応募管理機能 | なし | あり | あり |
応募フォーム | なし | あり | あり |
求人広告原稿作成 | × | 〇 | 〇 |
求人検索 | 一般検索+Googleしごと検索 | 求人検索に特化 | 求人サイト内の詳細検索+Googleしごと検索 |
Googleしごと検索の主な特徴
「Googleしごと検索」は求人広告掲載に費用はかかりません。無料です。(将来的に掲載順位をあげる求人は一部有料になる可能性はあります。)
正しい手順を踏めば、企業が自社サイトで掲載している求人情報ページを掲載することができるのが特徴です。
また様々な「求人情報提供サイト」に掲載されている求人情報や、企業が自社サイトで掲載している求人情報など多くの求人情報を網羅的に検索することができます。
<Googleしごと検索の主な特徴>
(費用)
今のところ無料。(2019/02/15)
Indeedのような広告枠なし(将来的に拡張される可能性はあり)。
(管理機能)
Googleしごと検索自体には応募フォームや応募履歴等の管理機能なし(将来的に拡張される可能性はあり)。
(求人広告原稿の作成)
求人原稿の直接作成はできない(アメリカ版では既にリリースされているが、日本は公開時期未定)。構造化データに対応した自社Webサイトの採用ページが必要。
(求人検索)求
人用構造化データに対応済みの企業サイトの求人広告、Googleしごと検索対応済みの求人情報提供サイトの求人広告を網羅。
Google検索でも求人に関連する特定の検索を行えば、自然表示される。
Indeed(インディード)の主な特徴
「Indeed」は求人に特化した求人検索サイトです。無料で求人広告を登録することもできるため、掲載求人広告数は世界1です。
広告展開で知名度もあがりアクセス数も多いため、よく利用されている求人媒体といえます。
<Indeed(インディード)の主な特徴>
(費用)
上位固定される広告枠は有料。他は無料。
(管理機能)
応募フォームや管理機能あり。
(求人広告原稿の作成)
求人原稿を直接作成・登録する。自社Webサイトの採用ページは不要。
(求人検索)
indeed自体が求人に特化した検索サイト。求人広告の掲載は世界TOP。
各種求人媒体、求人情報提供サイトの主な特徴
「求人情報提供サイト」はそれぞれのサイトに求人情報を登録します。期間限定で、登録するときに掲載料などの費用がかかることがほとんどです。
「Googleしごと検索」対応済みの求人情報提供サイトなら、「Googleしごと検索」の検索結果にも表示されます。
応募管理機能や検索が充実しているので、早急に目的の採用を達成したい場合は「求人情報提供サイト」を利用したほうがよいでしょう。
<各種求人媒体、求人情報提供サイトの主な特徴>
(費用)
有料。
(管理機能)
応募フォームや管理機能あり。
(求人広告原稿の作成)
求人原稿を直接作成・登録する。自社Webサイトの採用ページは不要。
(求人検索)
情報提供サイトに登録されている求人広告のみ検索可能。Googleしごと検索に対応している業者は「Googleしごと検索」にも表示される。
結局求人したい場合はどうしたらいいの?
現在はまだリリース直後ということもあり「Googleしごと検索」に掲載されている情報はほぼ「求人情報提供サイト」からのものですが、これからは「自社サイトの求人情報ページ」も多く網羅されていくと思われます。
そうなると「求人情報提供サイトはいらないのでは?」ということになりそうですが、そうではありません。
有料の「求人情報提供サイト」は詳細な検索が可能であったり、応募フォームも充実しているため、採用したい人物像に近い応募者が応募してくる可能性が高くなります。
早急に人材確保したい場合は、「求人情報提供サイト」に登録するほうが近道であると言えるでしょう。
また「求人情報提供サイト」は、応募管理機能があるので採用活動がスムーズに行えます。
さらに「Googleしごと検索」に対応した「求人情報提供サイト」に登録すれば、とくに何かしなくても自動的に「Googleしごと検索」に掲載されます。
また「Googleしごと検索」で求人検索が網羅的になるなら「求人検索に特化したIndeedはいらない?」ということにもなりそうですが、そうでもありません
「Googleしごと検索」は現時点では求人広告の原稿を直接作成することができないので、自社サイトを持っていない場合は掲載できません。
自社サイトを持っていない場合に、無料で求人広告を掲載したい場合は「Indeed」がよいということになります。
また、自社サイトを持っている場合でも「Indeed」は圧倒的な求人広告数やアクセス数を誇るのでまだまだ現役です。
さしあたって費用をかけずに人材をゆるく募集したいときは、自社サイトの求人情報ページに構造化データを入れておくだけでも、以前よりも求人情報ページへの検索ヒット率は向上すると考えられます。
もちろん同時に「Indeed」に無料求人広告登録をしておくことも効果的です。
今後の動向
「Googleしごと検索」はまだリリースしたばかり。今後、有料広告対応、求人広告原稿作成機能など機能拡張される可能性も高いので、動向を注目し続ける必要があります。
また、これからはWebサイト制作の際、SEO対策と同様に求人情報ページに「Googleしごと検索」対策が必須となる時代が来るのは確かです。
「構造化データはこう入れたら効果的!」というような構造化データの最適化情報も出てくるでしょう。
今後、就職活動は「Googleしごと検索」で横断的に検索し、気になった求人にたいして求人情報提供サイトで応募、もしくは直接応募というスタイルが定着するかもしれませんね。
今から自社サイトの求人情報ページを「Googleしごと検索」に対応させておきましょう!
そして、給与や勤務地など基本的な募集条件だけの掲載ですと、他社との差別化にはつながりません。
自社の特長、求めている人物像、お仕事の詳細、働いている方の声(感想)、etc、求人ページをより充実させていくことが、より多くの方に目にとまる求人情報、採用ページとなります。
Googleしごと検索やインディードで閲覧されても、応募が無いと意味がないですからね。求人・採用ページの情報が少ない企業は、情報の充実もぜひご検討ください。